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※TOP画像:https://www.imdb.com/title/tt0483771/より
コリ企画代表の比護です。
私にとっての想い出のタイ映画シリーズ第三弾です。今回は「Dear Dakanda(เพื่อนสนิท)」をご紹介したいと思います。
2005年にタイで公開されたこちらの映画、日本でも2006年に映画祭で上映されました。当時、私がタイの映画館でこの映画を見た時に、実は妊娠をしていました。それを知らずに映画を見終わったときに、将来、自分が娘を授かったらヒロインの劇中での名前を付けようと決めました。
タイ語のタイトルは直訳すると「親友」です。英語のタイトルは「Dear Dakanda(親愛なるダーカンダー)」。ヒロインのダーカンダーに綴られる手紙が映画の中で幾度も登場することから、この英語のタイトルになったのかと思います。
男女は親友から恋人になれるのか?シャキシャキ元気な女友達に抱いた気持ちは恋愛に発展するのか?献身的に支えてくれるおっとりとした女の子を選んだ方が良いのか?
当時、大学院生でもあった私は、主人公たちの揺れ動く気持ちに共感し、それぞれのキャラクターに感情移入しながら、ワクワクしました。また、タイの北部と南部の異なるロケーションを映像で楽しみながら、そこで繰り広げられる学生恋愛のやり取りにヤキモキもしました。
ヒロインの雰囲気、話し方、身のこなし方、すべてが私の眼にはとても魅力的に映りました。当時、彼女みたいになりたいというよりは、彼女みたいな人が好きでした。そして、劇中で、ダーカンダーの名前の意味を調べるシーンがあります。まさしくヒロインを表したかのような名前の意味は「愛されるべき女性」。映画を見てから数週間後に妊娠が発覚し、すぐには性別は分かりませんでしたが、女の子のような気がして、ダーカンダーと名付けようと静かに心の中で決めました。
翌年無事に女児を出産し、病院の看護師さんに「お名前は決めていますか」と聞かれ、「ダーカンダーにします」と答えると、「映画のヒロインですよね!愛されるべき女性になりますね!!」と盛り上がったことがついこの間のことのように思い出されます。小学校中学年ごろまでは、行く先々で、「ダーカンダーっていうんだ~。あの映画からとったの?」と注目され、娘はどこに行っても真っ先に名前を覚えられるようになりました。娘自身は映画を見ていなかったので、そのことにあまり興味は無いようでしたが、タイ語表記をした際に難しい子音、母音や発音記号が無く、シンプルに書ける名前だったことは気に入っていたようです。
DVDが発売されてから、購入をし、何度も何度も作品を見ました。思春期を迎えた娘とも一緒に見ましたが、15年前に作品に対して持った感情とはまた別の見方で、新しい考えや気持ちに包まれました。人生のあらゆるフェーズで訪れるであろう恋愛体験、親友との関係、人生のどのタイミングで触れるかで、同じ作品でも色々な変化がありますね。
当時は劇中のダーカンダーが大好きなだけでしたが、自己の価値観や価値基準が進化する中で、「愛されるべき女性」「愛されるべき人」として、他者を尊重し、優しい強い人であって欲しいという願いがこの名前に込められたのだと感じるようになりました。
20年以上のタイでの暮らしで、いろいろなタイ作品から影響を受けたことが私の人生を彩り、構成していると思います。当時の想いや考えに脳と心を傾けることが楽しい今日この頃です。
映画のオフィシャルトレイラーは下記よりご覧ください:
https://www.youtube.com/watch?v=Rn6nL1a2stc