BLOG
ブログ
こんにちは!バンコク本社のネーンです。
海外旅行の時、その国のアートや歴史などがわかるミュージアムを訪れるのは楽しいですよね。
そこで今回は、バンコクの「ワンラン」という地区にある博物館を紹介したいと思います。
チャオプラヤ川にはエクスプレスボートが走っています。博物館は、ワンラン船着場から徒歩すぐです。ターチャン船着場からワンラン船着場に渡し船も出ています。
着きました。ここはシリラート・ビムックサターン博物館です。シリラート病院の敷地内にあります。
日本人に人気があるシリラート死体博物館にも近いです。
「シリラート・ビムックサターン博物館」はタイの医療の歴史をはじめ、シリラート病院の沿革、タイ古来の治療法などの展示があります。また、アユタヤ時代からラッタナコーシン王朝のラーマ5世の時代までの、バンコクノーイ運河とチャオプラヤ川の合流地点の南から、ラカンコーチット寺院までの地域(ワンラン)の歴史や遺跡、考古学的物も展示されています。
では、タイムマシンに乗りましょう♪
シリラート・ビムックサターン博物館の土地はもともと「トンブリー駅」の一部でした。2003年、タイ国有鉄道はシリラート病院にこの土地を寄付しました。
トンブリー駅で使っていたインテリア等が見られます。
中に入るとその当時の駅窓口や待ち合わせの椅子などがあり、古いトンブリー駅の雰囲気たっぷりです。
シリラート病院を建てる際に古い焼き物が見つかり、この地域は歴史が古いため、タイの芸術局と協力して、発掘調査が行われました。土地を10メートル以上掘ると、古い土器や大きな船、中国や日本の焼き物などが発掘されました!
発掘された日本の焼き物は、江戸時代の伊万里と明治時代の印判伊万里というものです。
アユタヤ時代には中国の焼き物を使っていましたが、ラーマ5世の時代には日本の焼き物が人気がありました。
要塞の遺跡も発見されました。
ラーマ9世の娘にあたるシリントーン王女が遺跡の保管を提唱し、シリラート病院は発掘された遺跡やこの地域の歴史を展示するため、この博物館を建設しました。
それでは、これから医療の世界に足を踏み入れます。
タイの病院と医学の始まりについて、一緒に見学しましょう。
この部屋はシリラート病院の沿革とタイの医療について展示しています。
シリラート病院はタイ国内最大で最初の病院です!
シリラート病院はラーマ5世の時代に(日本ではちょうど江戸時代です)、チャオファー・シリラートグッタパンというラーマ5世のご子息が赤痢で亡くなられたことから始まります。わずか3歳でしたから、ラーマ5世はとても悲しんだそうです。ラーマ5世は官吏に病院を建設したいと言いました。
(写真:チャオファー・シリラートグッタパンの写真)
「国王の子供は病気が治せなくて、亡くなってしまった。国民の子供は病気になったら、どんなに苦しくて無念だろうか。病院が必要だ!」
チャオファー・シリラートグッタパンの葬式を行った「プラメールマート」という建物は木造だったと言われています。そのため、ワンラン病院(現シリラート病院)も木造で建設されました。
(写真:葬式の写真)
病院はできましたが、医者が足りないため、2年後、ダムロン・ラーチャー・ヌパープ公卿はラーマ5世に医療についての学校を建設するようにお願いしました。これがシリラート大学医学部の始まりとなりました。
(写真:ダムロン・ラーチャー・ヌパープ、学校の手術室、先生たち)
(写真:最初の医学学校)
シリラート大学で医療が始まった当時、外国と比べて、まだ後れていました。
(写真:薬草を粉にする機器)
当時、ラーマ5世の息子でラーマ9世の父親であるソンクラーナカリン王子は、海軍に所属していました。彼がシリラート病院に行った時、病院がとても狭いため、多くの病人が病院の外にある木の下で待っている情景を目にしました。
(写真:ソンクラーナカリン王子)
(写真:昔のシリラート病院)
王子は、病院から放り出されて亡くなった人を目の前にして、心を痛めました。同病院で医療行為を行っていましたが、医療についての経験がないため、アメリカ・ハーヴァード大学(Harvard University)へ留学し医学を学びました。
1919年に帰国後、シリラート病院で医学を教える一方で、理学や医療についての研究をサポートするロックフェラー財団(Rockefeller Foundation)と協議し、更なる医学の進歩のため、多数の医学生に奨学金を与えてアメリカに留学させました。
(写真:シリラート大学医学部)
(写真:看護師の制服)
そのような経緯があり、ソンクラーナカリン王子は「タイの医療の父」と呼ばれています。
「医者だけではなく立派な人間になってほしい」(“I do not want you to be only a doctor, but I also want you to be a man”) 最初の医学生に向けた、ソンクラーナカリン王子の一言です。
今ではタイの医療はとても発展しました。
この部屋では、タイで初めて医学部を開設した当時について展示しています。
その時の医学部の教室、医療機器、病気、流行した病、病原体、治療法などが見られます。解剖学においては、「アーチャーンヤイ」は必要なものです!アーチャーンヤイは教育のために自分の遺体を寄付した人達のことです。
(写真:医学部の教室)
(写真:使っていた黒板)
(写真:絵で作った人体模型、アーチャーンヤイ)
(写真:統計の勉強をするための計算器)
(写真:診察室)
(写真:梅毒(Syphilis)の症状)
ここは昔のアーチャーンヤイを置いたベッドが展示されています。
来場者は肺や心臓の音を聞いたり、患者を模した人形を手術して、お医者さんになってみることができます。
(写真:聴診器で肺と心音が聞ける)
(写真:手術の教室)
現代医学だけではなく、東洋医学についても勉強することができます。
タイは昔から治療で薬草を使っていました。特に漢方薬です。
昔の薬局「オーソットワッタナー」というタイの薬草屋では、様々なタイのハーブが売られました。
ハーブだけではなく、イノシシの大歯など動物の体の部分も使いました。
出産した後、母親は火の温かさで子宮の調子を整えます。現在でも、この施術を行う人はまだいます。ユーファイといいます。
珍しい昔の医療機器もたくさんあります。
こちらは腕の骨折時に使ったものです。
こちらは、歯が赤銅で歯ぐきの分が木の脂でできたもの。中国人が昔に作った偽の歯です。
1933年まで使われていたものです。
タイのマッサージを勉強してみることもできます。
ここでは様々な面白いことを展示しています。
皆さんがいかがでしたか。昔から現在までのタイの医療について見学しました。素晴らしいと思います。
お医者さん、看護師さん、医療のスタッフは私たちにとって、とても大切な存在です。
今、世界中の皆さんが新型コロナウイルスに立ち向かっています。
私は、人間の能力で打ち勝てると思います。皆さんと共に超えられると思います。
お医者さんや看護師さんなどの医療スタッフを心から応援しています。
皆さん、お体を大事になさって下さい。^^
★Google Map
https://goo.gl/maps/fhEzUFm6BzazqacP7
★博物館のウェッブサイト
https://si.mahidol.ac.th/sirirajmuseum/bimuksthan-en.html