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タイの中国正月

タイならでは

タイの中国正月

バンコク本社の田中です。
2022年の中国正月(春節)は2月1日でしたね。例年タイでも各地で春節の祝賀行事があります。バンコク都は昨年に引き続き、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、都内の中華街・ヤワラートでのイベントを取りやめましたが、今年は全てのイベントが禁止されたわけではなく、ヤワラートではライトアップが行われたり、各ショッピングモールやデパートでは獅子舞等の祝賀イベントが行われました。

タイは暑いので、デパートやショッピングモールは休日を過ごす場所として進化していると思います。季節ごとの装飾を見るのも楽しみのひとつ。春節前になると、年をまたいで違和感を醸し出していたクリスマスのデコレーションがようやく終わり、春節一色になります。いくつかご紹介します。

こちらはザ・モールグループが手掛けるEmporium/Emquartierの今年の装飾です。素敵ですね!(写真はFacebookページからお借りしました)



ちなみにこちらは1年前。イベントもなく人もいない閑散とした風景に、装飾だけが華やかに春節の到来を告げていました。


こちらは2年前の様子です。この頃はちょうど新型コロナウイルスが出現して世間がザワザワしている頃でした。その年のデコレーションと共に、空気感が蘇ります。


次は小売り最大手セントラルグループのCentral Worldの今年の広告です。かっこいいですね!(写真はFacebookページからお借りしました)


大きな吹き抜けを利用した装飾がインパクトがあります。


1月30日には祝賀イベントが行われました。


最後に、サイアムピワットグループが手掛けるアイコンサイアム。川沿いの雰囲気を生かした装飾とライトアップが素敵です!(写真はFacebookページからお借りしました)



春節期間にはこうしたショッピングモールやデパートで大々的に春節セールが行われます。それは近年タイにとって最も大きな顧客である中国からの観光客を春節期間に呼び込むことを大きく意識してのものだと思われます。


そしてもちろん、タイに住む華人系の人たちにとっては、春節は大切なお正月です。親族一同集まって過ごしたり、寺院にお参りしたり。この期間は華人系の方が経営するお店は閉まることも多いです。

タイはそもそも多民族国家なので、色んな背景を持つ方がいらっしゃいます。タイに住む華人系の人たちと言っても、その幅はとても広く、中国で就学・就労経験のある私にとっては、とても興味深いタイ社会の一面です。

私が通っていたタイ語学校の先生は、祖父母世代が中国からの移住者なので、自分は漢字の名前も持っていると教えてくれました。かろうじて名前だけ書けますが、中国語は全くできないし、自分をタイ人以外であると意識したことはないと教えてくれました。こうした方は非常に多くいらっしゃると考えられます。

別の知人は、お父様が台湾の方で、お母様が台湾とタイのミックスですが、自身は中国語の読み書きもタイ語も両方得意としています。

バンコクオフィス近くのクイッティアオ(麺)屋さんは、私が中国語が話せると知って時々中国語を話してきますが、第一言語はタイ語です。ヤワラートで訪れた中国茶屋さんでは、オーナーもお客さんも外見から華人系の方であることは想像できましたが、タイ語で話をしていました。

政界や経済界でも華人系の存在感が目立ちますが、皆さん普段はタイ語の名前を使っています。先にご紹介したザ・モールグループやセントラルも華人系財閥ですね。

アイデンティティ上は完全にタイ人であるという人から、あくまで華人であると強く意識している人、その中間にいて両方の文化をうまく取り入れている人。

アイデンティティの話は非常にデリケートな部分もあるため、ずかずかと人の心に入っていくことはできないのですが、色んな背景がある、それぞれの人のその背景を知りたいと思う気持ちも、大切にしてもいいのかな、と私は思っています。

来年の春節には、賑やかな空気で町の中がいっぱいになっていることを期待しています!