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想い出のタイ映画 その1

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想い出のタイ映画 その1

※TOP画像:imdb.com/title/tt0217680/mediaviewer/rm485006337/より

コリ企画代表の比護です。

タイに関わらせていただき、25年が経ちました。25年の間に、タイでの就業、就学、起業、結婚、出産、離婚などを経験しました。その間に触れた数多くの映画、ドラマ、書籍にはいろいろな想い出が詰まっております。その中のいくつかを数回にわたり、ブログにてお話させていただきます。

まず一つ目の映画作品は、1990年に公開された「ナンナーク」(タイ語タイトル:นางนาก เวอร์ชั่นต้นฉบับ พ.ศ. 2542)です。私にとって一番最初のタイ映画体験です。

【あらすじ】(https://www.cinematoday.jp/movie/T0000445より)
タイ郊外に住む若い夫婦マーク(ウィナイ・グライブット)とナーク(インティラー・ジャルンプラ)。夫のマークはタイの内戦に兵士として赴くことになり、その時妻ナークはマークの子を宿していた。数カ月後マークはナークと我が子に対面するが…。

こちらのあらすじを読むと、恋愛もの?家族愛のお話?などと思いますが、映画のキービジュアルを拝見するとなんだか怖そうなイメージですね。タイではお化け映画、ホラー映画の人気が高く、世界的に高い評価を受けている作品や、ハリウッドでリメイクされている作品などもあります。

お化けはタイ語でピー(ผี )といいますが、日常の生活の中で、日本に比べるとピーに関する出来事、言い伝えなどが多くありますし、ピーの存在を信じている人々が比較的多いと思います。

こちらの作品は、当時、世界的に人気の高かったハリウッド映画「タイタニック」を抜き、タイ国内で第一位の興行成績をおさめ、その後もナンナークを題材にした作品は多岐にわたります。タイタニックは視聴者の心を熱くする壮大な悲恋のお話でしたが、こちらナンナークも見た者の心に深い深い愛のほとばしりを切なく感じさせてくれます。

大学の授業で初めて鑑賞した際、タイ語、タイの文化や風習などの理解が浅く、映画の随所に散りばめられた深意に気が付きませんでした。マーク役を演じた俳優ウィナイさんの強靭な肉体美と屈託のない笑顔に魅了され(笑)、現在に至るまで、ウィナイさんを応援しており、「好きな男性のタイプは?」とタイの方に聞かれるたびに、ウィナイさんのお名前を上げさせていただいております!

ネタバレになってしまいますので、こちらでは詳細の説明はいたしませんが、こんな出来事が起こると不吉なことが起こるというような描写があり、その後のストーリー展開で大きな意味を持っているなどということに、数年後に再度視聴することで気が付いたりしました。

独特のホラー感が出ている当時のティーザーからもご覧いただけるように、全編にわたり暗く、おどろおどろしい感じが出ており、苦手な方もいらっしゃるかもしれません。怖がりの私は思わず目をそむけたくなるシーンもありましたが、ストーリーの伏線をその映像美でうまく捉え、表現した撮影監督の技量に感銘を受けた記憶があります。

そこから10年以上の月日を経て、ナンナークの撮影監督であったクルーアイ・ナタウット・キティクンさんと、タイ映画「ジャンダーラー」や「ハシマ・プロジェクト」にてお仕事をご一緒させていただき、ナンナーク撮影当時の秘話などを聞かせていただいたことは、私たちにとっての大切な宝物です。


(クルアイ撮影監督と私)

タイ映画の人気が高まり、多くの日本の方々も作品に触れる機会が増えたかと存じます。ナンナークを題材にした作品の一つに、タイの人気俳優であるマリオ・マウラーさんが主演で人気を博した「愛しのゴースト(タイ語タイトル:พี่มาก..พระโขนง)」があります。こちらは、当時人気爆発だったアナ雪を超えるメガヒットとなった作品としても有名です。コミカルなタッチで明るく元気に作られたこちらの作品も、1990年バージョンのナンナークとは違った雰囲気で大いに楽しむことが出来ます。


画像:https://th.wikipedia.org/wiki/พี่มาก..พระโขนงより

こちらの作品は日本でも大きく取り上げられました。日本語の予告編はこちらよりご覧いただけます:

「愛しのゴースト」はご覧になられたものの、1990年のナンナーク作品の存在をご存じなかった方、まだご覧になられていない方など、是非、機会がございましたらウィナイさんが演じるマークもご堪能いただければと思います。そして作品の随所で描かれている当時のタイの文化や、風習、価値観、宗教観などもお楽しみいただければ幸いです。

「想い出のタイ映画 その2」では、私が何十回も見た!別の恋愛映画をご紹介させていただければと思います。